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肩関節外科専門外来

肩関節外科とは

肩関節外科とは

肩関節は人体の関節の中で最大の可動域 (動かすことのできる範囲)を持った関節です。そしてたくさんの筋肉がバランスよく動くことによってさまざまな動作を可能にしています。 肩の痛みというと、ただ何となく五十肩と診断されることが多いかもしれませんが、肩関節はその複雑な構造ゆえに、さまざまな疾患が存在します。
肩関節疾患の診断・治療の技術は目まぐるしく発展し、特に治療については関節鏡手術が一般的に行われるようになってきました。 以前の創を大きく開けて行う手術に比べると、低侵襲で、術後の疼痛も少なく、リハビリも早い時期から可能になっています。 当院では、肩関節の鏡視下手術をおこなってきた、佐々木院長による肩関節診療を行っております。

  • 肩があがらなくなった
  • 肩が痛い→痛くて眠れない・仕事やスポーツができない

などの症状がある方はお気軽にご相談ください。

代表的な肩疾患

肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)

肩関節包という関節を包む袋の中で炎症が起こるものですが、50代以外でも発症する疾患です。典型的な症状としては、急に発症し肩前面から肘にかけて強い痛みを伴います(眠れないほど痛いことも)。また手が上がりません。
特に関節内の構造物が壊れておらず自然経過は良好といわれていますが、一方で長期にわたり症状が持続する場合もあり、特に夜間痛でお悩みの方が多いです。
他の疾患と鑑別するため、MRIで腱が切れていないか確認することができます。(腱は骨ではないのでレントゲンでは判断不可能です)注射やお薬によって炎症をとることで治療期間の大幅な短縮ができます。ただし症状がひどい方や、治療をせずに長引いてしまった一部の方には「拘縮」という関節が固くなってしまい手が上げにくい状態が残存する場合があります。
その場合は当院では柔道整復師によるリハビリ(関節受動術)を行っています。3カ月ほどでほぼ手の挙上が可能となります。

肩腱板断裂

腕を挙上・回旋する腱(腱板)が断裂してしまう病気です。 転倒などの外傷で切れることもありますが、徐々に自然に切れることも多いのが特徴です。 年齢が上がるとともに切れている可能性は高くなり、60代以上では症状のない人も含めると、4人に1人は切れていると言われています。70歳代では3人に1人、80代では2人に1人と、加齢により徐々に腱が切れている人が多くなります。
症状は軽いこともあり、放置されている方も多いです。全く腕を挙上できない方から反対と同じ高さまで挙上できる方まで様々ですが、肩の高さから上での作業がやりづらかったり、動かすことで引っかかる感じがしたり、腕を捻った時に痛い、力が入りにくいといった症状を呈します。レントゲンには腱は写らないため、診断にはMRIが必要です。
断裂した腱は自然につながることはなく、徐々に拡大していきます。完全な修復には手術が必要ですが、修復せずに生活できる人も多く、その人の生活スタイルに合わせた治療が必要です。早期に診断し、治療方針を考える必要のある疾患と言えます。当院では治療方針を個々人に合わせて、しっかり一緒に考え、不要な手術をお勧めしないよう努めてまいります。

石灰沈着性腱板炎

腕を挙上する腱板の中に石灰(カルシウム)の塊ができてしまう病気です。レントゲンでおおよそ診断がつきますが、腱板断裂を否定するためMRIを撮像します。症状は主に2通りあり、痛みが強く(夜眠れないほど)、ほとんど手を使うことのできない急性期症状と、手を挙上する時の引っかかり・脱力感を呈する慢性期症状があります。
急性期症状の方は、石灰が自然吸収されることが多く症状の軽快とともにレントゲンで石灰が消失していきます。(痛みが強い人にはステロイドを注射します)慢性期症状の方は残存することも多いです。強い疼痛を伴う場合には炎症を抑える注射を行うことにより、劇的に症状は改善します。

外傷性肩関節前方不安定症(反復性肩関節脱臼)

肩の脱臼はコンタクトスポーツや転倒などの外傷で発生しますが、一度脱臼すると外れやすくなり、外れるのが怖いと不安を感じるようになります。そのような脱臼不安感のためスポーツは思い切ってできなくなってしまいますし、ひどくなると、寝返りを打ったり、ドアノブを回したりするだけで脱臼するという状態になります。
症状をとるためには基本的に手術をしないと治りません。内視鏡的に剥がれた軟骨と関節の袋を骨に縫いつける、鏡視下バンカート修復術を行います。

スポーツ肩障害

野球、バレーボール、テニスなど、ボールを投げたりラケットを振ったりするスポーツは、肩の障害が発生しやすいとされています。肩の筋肉が不均衡になり、肩関節の滑らかな運動が妨げられ、その結果、動作中に痛みが生じることがあります。スポーツ肩障害の約90%は手術なしで治療可能ですが、残りの10%では肩関節に損傷が認められ、時には手術が必要となる場合です。お気軽にご相談いただき、適切な治療法をご検討ください。